花粉症の本格シーズン到来…症状がひどくなる前に眼科へ
●花粉症の本格シーズン到来…症状がひどくなる前に眼科へ
2月に入り須恵中央眼科のある福岡県糟屋郡でも本格的な花粉(スギ花粉)の季節になりました。2014年春のスギ+ヒノキ、シラカバ花粉の飛散量は、北海道と近畿から九州地方にかけて例年並みか、やや多い予測となりました。(*2014年1月 日本気象協会発表記事より抜枠)すぐに治療・対策をとれば症状を軽くすることもできますが、そのままにして症状が重くなってからだと改善も遅く、処方するお薬も増えてしまいます。お早めに眼科の受診をお勧めいたします。
●花粉症による目のかゆみは季節性アレルギー性結膜炎
花粉が原因で、特定の季節にのみ症状があらわれるものを季節性アレルギー性結膜炎といいます。アレルギー反応が起こると、肥満細胞という細胞からヒスタミン(かゆみや充血のもととなる物質)など物質が大量に放出されます。これらの物質は、目の知覚神経や毛細血管などを刺激して、強いかゆみや充血などの炎症を引き起こします。
●いきなり花粉症??
アレルギー体質でなければ一生花粉症にならずにすむかというと、そうともいえません。体質や個人差はありますが、いきなり花粉症の症状があらわれることもあります。花粉症になったかを調べるには血液検査でわかります。下記の症状があらわれてお悩みの方はまずご来院ください。
●目に起きる花粉症の症状
目に起きる花粉症の症状
目に起きる花粉症の症状にはつぎのものがあります。
・目のかゆみや充血 ・目やに(涙のようにサラサラした水状のもの)
・涙が出る ・まぶたの裏にぶつぶつができる
また、上記のアレルギー症状はハウスダストやはやり目、ドライアイでも同じ症状がでることがあります。花粉症ではない場合もありますので、まず医師の診断をうけてください。
●花粉症の治療
眼科で行われるアレルギー性結膜炎の治療の基本は、薬物療法となります。薬物療法の目的は、日常生活に支障がないようにかゆみの症状を軽くすることが中心となります。治療には抗アレルギー点眼薬(抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエータ遊離抑制薬)が主に使われます。重症の場合にはステロイド点眼薬や免疫抑制点眼薬などを使用する場合もあります。
●花粉症の対策
天候や時間によって異なる花粉の飛び方の特徴を知っておくことが大切です。毎日の花粉情報などのチェックも欠かせません。そして、アレルギーの原因(アレルゲン)となる花粉との接触を避けること。これは「抗原回避」というアレルギー患者さんのセルフケアの基本です。このように、基本的な気配りを日頃から行うことが何よりも花粉症の症状の予防・軽減につながります。
外出時はメガネ、マスク、帽子を着用しましょう
-帰宅時に衣類や髪に付いた花粉を払い落しましょう
-帰宅後は手洗い、うがい、洗顔を心掛けましょう
-洗濯物、布団は花粉を払い落としてから取り込みましょう
花粉の最新飛散情報はウェザーニュースの各地の花粉情報(こちらをクリック)で確認できます。
花粉症を根本的に治すお薬は、現段階ではありません。つまり、一度発症してしまったら、この先もずっと花粉症と”お付き合い”していくことになるのです。
正しい知識と対応を身に付けるためにも眼科への受診をお勧めします。
眼瞼下垂手術を始めました。
福岡県糟屋郡須恵町にある須恵中央眼科では形成外科専門医による眼瞼下垂手術を始めました。この手術は眼科医でも行いますが、整容(見た目の美しさ)的にもレベルの高い手術を行い、患者さまに高い満足度をお届けするためにも、当院では形成外科の専門医を招いて行っています。
術後のキズあともまったくと言っていいほどわからず、実際手術を受けられた患者様からもご好評をいただいております。
●眼瞼下垂(がんけんかすい)とは…
まぶた(眼瞼)が下がってきたり、開けづらくなったりする状態です。
●眼瞼下垂の原因
眼瞼下垂の原因としては加齢によるものが多く、まぶたをつり上げる筋肉(挙筋腱膜)の働きが悪くなったり、皮膚がたるんでくることが原因です。ハードコンタクトレンズを長年使用している方やまぶたをよくこすってしまう方などに起こることもあります。また、稀(まれ)ですが目の周りのケガ、目の手術をしたあとに起こることもあります。
●眼瞼下垂の程度と症状
眼瞼下垂には軽度から重度まで下記の図のように程度の違いがあります。
中度以上の場合、以下のような症状が起きることがあります。
▶まぶたが重くなってきてうっとうしく感じる
▶視界が狭くなってきて見えにくい
▶目が疲れる
▶肩こりや頭痛が起きやすい
手術により、これらの症状が改善されますので、このようなお悩みをお持ちの方は手術を受けることをお勧めします。また外見の印象も若々しくなりますので、そのような目的で受ける方もいらっしゃいます。
●眼瞼下垂の治療方法
・中度から重度の症例に対しては手術を行います。加齢性の眼瞼下垂では「拳筋前転術」という術式をとるのがほとんどです。この術式は比較的時間も短く効果も確実な方法です。
・基本は両眼の手術となります。個人差はありますが両眼で1時間程度かかります。
・手術後は少しまぶたの部分が腫れますが、時間とともにその腫れはひいてゆきます。目の状態や切除する部分の大きさや、または個人差にもよりますが、早くて数日、遅くても1週間ほどで腫れの大部分が引きます。
・手術後約1週間で抜糸を行い、術後1カ月くらいまで経過を診察していきます。
▶健康保険の適応手術です。
眼瞼下垂手術は厚生労働省が定める健康保険適応の治療として認められています。保険治療の場合、両眼の手術費用は45,000円程度(三割負担の場合)となります。当院では日帰り手術で行っておりますので、入院費用はかかりません。お悩みの方は是非ご相談下さい。
▶民間の医療保険でも手術給付金の対象になることがあります。
眼瞼下垂手術は、こうした医療保険の多くで手術給付金の対象となっている場合もあります。個人でご加入している医療保険で手術給付金の出る保障に入っている方は、担当にお尋ね下さい。給付には医師からの「診断証明書」が必要ですので、お気軽にご相談下さい。
花粉飛散予測と初期療法
花粉の季節が近づいてきました。まだご来院されてない方は、早めの受診をおすすめします。
今春のスギ花粉の飛散開始はおおむね例年並みが遅く、九州と東海では2月上旬から花粉シーズンに突入するとの予測が公表されています。2014年花粉飛散量は全国平均では2割程度少なくなる見通しですが、須恵中央眼科がある北部九州の花粉の飛散予測は昨年より高くなっています。平年と比べ、多い所では130%程度となる見通しで、特に注意が必要です。
●初期療法が効果的
花粉が飛びはじめる2週間ほど前から、もしくは症状が軽いうちに、治療を始めることを【初期療法】といいます。初期療法をおこなうと症状が出るのを遅らせたり、症状を軽くしたりできる可能性があります。
●初期両方のイメージ図●
*花粉症・アレルギー性鼻炎情報サイト「花粉なう」より抜枠
初期療法をきちんと行うことで症状が軽くなります。本格到来の前に一度ご来院下さい。
花粉とPM2.5=花粉注意報③
昨日の福岡県糟屋郡須恵町は集中豪雨かと言うくらいの激しい風雨でした。本日は雨も止み、とても春っぽくなり、ぽかぽかの陽気です。
この時期は、【春=花粉】という悩みが尽きませんが、更に今年は新たな問題として大陸からの【PM2.5】という汚染物質の飛来が懸念されています。
特に九州は中国大陸に近いため、その注意喚起が本州よりも強く行われております。
今回はこの【PM2.5】と【花粉】の関係について関連ページ等も交えてお話しようと思います。
●PM2.5とは?
2.5(µm)の粒子状物質(りゅうしじょうぶっしつ)の事を言います。大気中に浮遊している2.5µm(1µmは1mmの1千分の1)以下の小さな粒子のことで、環境基準を定めて対策を進めてきた10µm以下の粒子である浮遊粒子状物質(SPM)より小さな粒子です。
一般的にはマイクロメートル(µm)呼ばれますが、正規ではParticulate Matter、PM、Particulatesと呼ばれていて、それを取ってPM2.5と一般的に呼ばれております。このPM2.5は非常に小さいため(髪の毛の太さの1/30程度)、肺の奥深くまで入りやすく、肺がんや呼吸系への影響に加え、循環器系への影響が懸念されています。
主な成分は、燃焼による煤塵や黄砂のような飛散土壌、海塩粒子、工場や建設現場で生じる粉塵などです。PM2.5に関する詳細情報は環境省のページでも確認できます。こちらよりご覧ください。
3月8日に撮影した福岡市内上空は、春霞とは言えず何となくすっきりしない空でした。本日も同じように霞がひどいように感じました。この日は警戒基準値を大きく超えるPM2.5の観測が福岡市内のあちこちで確認されていました。
福岡県のPM2.5の飛散状況についてはこちらよりご覧ください。
●PM2.5の人体への影響は?
PM2.5は非常に小さいため(髪の毛の太さの1/30程度)肺の奥深くまで入りやすく、呼吸系への影響に加え、循環器系への影響が懸念されています。また、肺がん、動脈硬化や心臓疾患、脳梗塞などを誘発する危険性があります。子供やお年寄り、妊婦は特に注意が必要です。市販のマスクで除去することができずにすり抜けてしまうため、対策困難とされているのが現状です。
中国では急激な経済成長に伴ってPM2.5を筆頭とした有害物質による大気汚染が加速して、社会問題になっています。日本も同様に、偏西風に乗った有害物質による大気汚染が懸念されています。
●PM2.5と花粉が一緒になると症状がさらに悪化
PM2.5は花粉にくっつくと、花粉がいわば”爆発”し、さらに微小な「PM1.0」が発生してしまうようです。埼玉大学の王青躍准教授(環境科学)によると、「PM2.5に含まれている硝酸塩が花粉にくっつくと水分が花粉にどんどん入り込み、やがて爆発します。するとその衝撃で、花粉と一緒にPM2.5も砕け散り1マイクロメートル以下の物質『PM1.0』となってしまうんです」とのことでした。
*NEWSポストセブン3月16日(土)16時6分配信より抜枠
通常のマスクではさえぎることのできないPM1.0となった有害物質や花粉片は、肺のもっとも深い肺胞にまで取り込まれていってしまいます。これまで花粉症になったことのなかった人にもアレルギー反応が出たり、今まで花粉症だった患者さんの症状がさらにひどくなることが心配されております。
●市販のマスクでも、遮蔽(しゃへい)率の高い専門マスクが有効
市販の普通のマスクではPM2.5を防ぐには遮蔽能力に限界があるようです。環境省の専門家会合で委員を務める兵庫医科大の島正之教授(公衆衛生学)は、「PM2.5の被害は、たばこに比べれば小さい。健康な人はそれほど心配する必要はない」としながらも、「影響には個人差があり、特に子どもは影響を受けやすい。呼吸器や心臓に疾患がある人も、環境省や字自体のHPで濃度の速報値をチェックし、体調の変化に気を付けてほしい」と呼び掛けているようです。
また、大分県立看護科学大の市瀬孝道教授(環境毒性学)は「あまり神経質になる必要はないが、濃度が高い日はマスクや花粉対策用のゴーグル、うがい、目の洗浄、布団や洗濯物を室外に干さないことなどが、被害を防ぐのに効果がある」とお話しされています。
また、家に入る前に衣類をほたくほか、床の水拭きや、空気清浄機の活用にも有効です。
*2013年3月19日中日新聞より抜枠
高性能マスク防じんマスクや高性能フィルターを導入してPM2.5対策をうたった空気清浄機、布団乾燥機等でできる限りの予防を行いましょう。特に、幼児など小さいお子様へは長期的な影響が気になりますので注意が必要です。
花粉症へのケアは…?=花粉注意報②
先週以降、須恵中央眼科にある須恵町および糟屋郡付近の多くの患者様が花粉症でご来院されています。現在九州ではこの花粉に加え、中国大陸からの汚染物質【PM2.5】の飛来も心配されています。
報道では、この汚染物質と花粉が一緒になると通常よりも【アレルギー症状】が悪化する可能性が指摘されております。
このPM2.5と花粉の関係は、=花粉注意報③=でご紹介します。
*PM2.5の飛来予想はこちらの【福岡市PM2.5予測情報】ページでご確認下さい。
今回は花粉症の症状が出た時のケアー、コンタクトレンズ装用時の注意点を、前回同様に眼科受付に装置しております冊子の画像を添付してご説明します。
花粉症に自己判断は禁物です。必ず眼科医に診察してもらいましょう。
実際には正しい種類の目薬をきちんとした方法で使用しませんと、かえってその症状を悪化させることもあります。自己流のケアはやめて、早めに眼科へお越し下さい。
★花粉症の時の注意点★
・できるだけ目はこすらないようにしましょう。かゆみの悪化や、目を傷つけてしまうことになります。
・水道水での洗顔はOKですが、何回も洗うと逆に粘膜を傷つけてしまうので注意です。
★花粉をできるだけ持ちこまないように気をつけましょう★
画像の外出時のポイントをチェックしてみて下さい。テレビやインターネットなどで、花粉の飛散情報が毎日公開されています。飛散量の多い日はできるだけ外出を控えましょう。
★マスクやゴーグル型のメガネで花粉の侵入を防ぎましょう★
花粉から目を守るメガネもあります。詳細はこちらでご確認下さい。
★目についた花粉は【人工涙液=涙の成分に似た目薬=】で洗い流しましょう★
・この目薬の使用に関しても、必ず眼科医に相談の上、正しくご使用ください。
・人工涙液の詳細についてはこちらで発売されているものが確認できます。
★コンタクトレンズはいつも清潔にしましょう★
コンタクトレンズについた花粉があると、そのまま目に花粉がとどまります。通常は洗浄して花粉は流すことができますが、こうなると厄介です。症状を見てレンズの装用を一時中止するなどの処置が必要になります。また、使用するならば【1日使い捨てタイプ】の方が、毎日清潔な状態を保ちやすくなるといえます。このような対応で症状が軽くなるかもしれませんので、眼科にてご相談されることをお勧めいたします。
花粉症のようなアレルギーは日常のリズムを崩すばかりか、気持ちもすっきりとしないので症状に悩まされることがとても多いものです。
それを受け、症状緩和の方法や有効な方法も日進月歩で進んでます。
独断に頼ることなく、眼科へのご相談をお気軽にされてみて下さい。
花粉症:今年の花粉は?=花粉注意報①
☆★花粉の飛散時期がやってきました。初期療法が有効です★☆
バレンタインデーのこの時期は甘いチョコが飛び交いますが、あまり飛んで欲しくないものも、その飛散時期を迎えます。
お悩みの方にはとても苦しい【花粉症】の季節が始まってしまいます。
これから数回に分けて花粉症について、そのケアーやコンタクトレンズ装用時の注意などお話してゆこうと思います。
●花粉予想●
須恵中央眼科のある福岡県は九州北部に位置します。NPO花粉予防協会の花粉マップによるとヒノキ・スギの花粉飛散予測は【2月中旬】となっております。その量は昨年と同様規模、またはそれ以上の猛威と言われており、厳重な注意が必要となります。
●花粉症について●
花粉症とは体内に入った異物への体の過敏反応です。眼科に配布される冊子の画像を載せていきますので是非ご覧になってみて下さい。
●花粉症の症状●
・かゆみ
・充血
・涙目
などが特徴的です。くしゃみや鼻水も一緒に現れるので風邪と間違われやすいです。
花粉症は毎年増加傾向にあります。いままでもそうでなかった人もいきなり花粉症になることがあります。おかしいなと思ったら早期に眼科へご来院下さい。
●アレルギーは体の過敏反応●
花粉に反応して、体の免疫反応で(ヒスタミン)という物質が体内で放出されます。この物質がさまざまなアレルギー反応を体に引き起こすのです。
●花粉対策は初期療法が効果的●
初期療法とは花粉飛散前から点眼や内服を開始することです。これから暖かくなってくると、いっそう花粉の飛散が予想されます。その前にあらかじめ眼科で初期療法を受けることをお勧めいたします。
ケアについてや対策の続きは次の投稿で申し上げてまいりますのでそちらもご覧下さい。
☆★須恵町にも積雪が…★☆
寒い日が続きます。冷え込みにご注意下さい。
お年を召されている皆様は、特に風邪やインフルエンザにお気を付け下さい。
小さいお子様の間ではノロウイルスの流行も見受けられます。充分な手洗い・うがいでウイルス対策を行って下さい。
昨日1月17日(木)夕方からの低気圧の影響で福岡県糟屋郡須恵町も一面雪模様になりました。本日交通渋滞を避け早めに出勤し、近隣の雪景色を撮影致しました。
【福岡県ではあまりない症状…雪眼炎について】
福岡市内ではあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、積雪の多い地帯でよく起きる症状です。今回の積雪では大丈夫でしょうが、春先までで積雪がある時はご注意いただければと思います。
スキーや積雪、冬季登山などで、大量の紫外線にさらされたときに、通常6~10時間の潜伏期をおいて急激に羞明(しゅうめい=まぶしがること)や流涙、異物感、眼痛などをおこすものをいいます。
*雪盲、雪目とも言われております。雪面から反射した紫外線が結膜や角膜に障害を起こします。自覚症状のほか、球結膜の浮腫や強い充血、瀰漫(びまん)性表層角膜炎(diffuse superficial keratitis)などが認められるようです。
冬は紫外線量が少なくても、晴天の雪面の反射は強烈です。長時間浴びると、当日の晩に激しい目の痛みに襲われることもあるので注意が必要です。
●紫外線をカットするサングラスをかける
●長時間の屋外活動をできるだけ控え、こまめに休憩をするなどの対策でご対応下さい。
紫外線は目の健康には深くかかわりがあります。
紫外線は春先から増え始め、5月から9月頃まで多い状態が続きます。
紫外線の多くは眼球表面の角膜で吸収されますが、角膜を通過した紫外線はレンズの役割を担う水晶体でほぼ吸収されます。
水晶体を通過した残りの1~2%は網膜まで到達します。
紫外線による眼への影響は、今回ご紹介の雪眼炎の他にもさまざまなものが考えられています。寒さも厳しくなるこの時期は、眼にもご注意下さい。
あけましておめでとうございます
☆★☆★今年も宜しくお願い致します☆★☆★
2013年も1月4日金曜日より通常診察が始まり、新しい年がスタートいたしました。
新しい1年も気を引き締め、患者様のご信頼をさらにいただけるよう、診察・手術・コンタクト、眼鏡の処方などに研鑚を積んでまいります。
本年も宜しくお願い致します。
初日の出を機内から見ました。福岡市上空の雲海から…。新年のスタートを特別な思いで迎えました。
理念は眼科を開設してからほぼ変更がありません。これが院長自らの開設の理由だからです。
小さい眼科であっても、全員で心の通った医療を心がけてゆく為に、更に本年の使命があると思います。
2013年の使命(MISSION)を達成する為、
●患者様と同じ目線に立った診療システムの充実
…お年寄りから、お子様まで、どんな方が来院されても、同じ立場となり、その患者さんの症状の治療をできるだけスムーズにできるよう、診療のシステムを更に向上させてゆきます。
●患者さん一人一人とよく話し合い、最良の医療を提案するコミュニケーションの向上
…患っていらっしゃる患者様の状態をご理解申し上げ、その訴えに対しての最良の治療方針のご提案ができるように、問診内容、検査内容を明確、かつ精密度の向上を致します。
●最新の医学知識の研鑚、最新医療技術の継続導入
…眼科の疾患の最新事情、新薬、新しい診療情報に関していつも研鑚を積んでまいります。また、眼科の検査や手術機械は日進月歩。きちんとアップデートされた先端技術の導入を行います。
●医療の透明性、安全性の更なる確保
…希望者へのカルテの開示、医療相談、診療項目のご説明、お薬のご説明など、【何故必要?】【どうしてこうなるのか?】というご不明点が無くなるように、丁寧なご説明を行います。また診察、レーザー治療、そしてもっとも重要な白内障手術に関しての安全性の精度を向上します。
●WEBやSNSによる継続的な情報公開
…「眼科の内部や、医院の考えなどを、院外から確認することがまだまだ難しい」とのご意見が、保険医療施設ではよく耳にします。この点に関しても当院では専用眼科ホームページやFACEBOOK PAGEを媒体として、より当院のムードや取り組みをご理解頂けるよう、更新回数をアップさせ、よりタイムリーな情報発信を行ってまいります。
本年も引き続いて【あなただけの眼科】となれるよう、皆様の目の健康に貢献を続けてまいります。
須恵中央眼科を宜しくお願い申し上げます。
ドライアイについて
★☆ドライアイとはどういう病気でしょう☆★
須恵中央眼科には目を患った方がたくさんいらっしゃいますが、【目が乾く】【目が痛い】などでご来院される方が多くなってきております。コンタクトレンズの装用をされている方の中でも、この症状を持たれる方を多く見受けます。
この場合、ドライアイという状況が推測されます。
ドライアイとは涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、目の表面を潤す力が低下した状態を指すものです。
●ドライアイの分類(タイプ)
・涙液分泌減少型;中高年女性に多い
・涙液蒸発過多型;全世代に多い
最近の研究により、涙が十分出ている人でもドライアイである可能性があることがわかってきました。それは、目が乾いていないタイプのドライアイ:「BUT短縮型ドライアイ」と言われています。パソコンなどの作業をすることが多いオフィスワーカーやコンタクトレンズをつけている比較的若い方の間では、男女問わずこの新しいタイプの「BUT短縮型ドライアイ」になる患者様が増えています。
現代はパソコンや携帯電話も含め【目を酷使する時代】と言えますが、この副産物としてドライアイが増加していると言えるでしょう。
■涙の産生と排出
涙は【涙腺】という眼の上にある組織で作られ、まばたきすることで目の表面に行き渡ります。ほとんどは目頭にある「涙点」という小さい穴から鼻の奥に排出され、一部は目の表面から蒸発します。
■ドライアイの症状
目の乾燥感だけでなく、異物感・目の痛み・まぶしさ・目の疲れなど、慢性の不快感がでます。視力の低下も起こります。
■ドライアイによる目の障害
涙は目の表面を潤すだけでなく、角膜や結膜の細胞に栄養を供給しています。ドライアイになると目の表面の細胞にキズができやすくなり、ほおっておくと【きちんと見えなくて困る】という不快感がずっと続いてしまいます。
おかしいかな?と思われましたら、すぐに適切な処置を行うことをお勧めいたします。
例)ドライアイになっている眼赤、黄に染色されているところが障害されている細胞となります。
■ドライアイはどういう人に起こりやすい?
(1)年齢
年を重ねると、涙の分泌量や質が低下して起こりやすくなります。
(2)性別
女性の方が男性よりドライアイになりやすいことが知られています。
(3)過度のVDT(visual display terminals)作業
パソコンなど、モニターを見つめる作業を長時間行うことで、ドライアイが起こりやすくなります。
(4)乾燥した環境
冬の乾燥した季節になる。
とドライアイが悪化する人が多く見られます。
エアコンの吹き出し口に当たるところに長時間いると症状が悪化することがあります。
(5)コンタクトレンズ
ソフトコンタクトレンズ装用者では、ドライアイの割合が多いことが知られています。
(6)喫煙
たばこの煙に目がさられると、涙の状態が悪くなることが知られています。
(7)内服薬
血圧を下げる薬や精神疾患薬など「抗コリン作用」がある薬には、涙の分泌量を減少させるものがあります。
(8)点眼薬
点眼薬の中には、涙の安定性を低下させ角膜に障害を与えやすくなる成分が含まれているものがあります。また点眼薬の中に含まれる防腐剤などによる障害でも起こりやすくなります。
(9)全身の病気に伴うもの
シューグレン症候群という涙腺や唾液線に対する自己免疫疾患では、強いドライアイを生じることがしばしばみられます。
■ドライアイの検査
涙の量を調べる検査としては「シルマー試験」というものが一般的です。ろ紙をまぶたのふちに挟み、5分間でどのくらいの長さが濡れるかを調べる検査です。目の表面の状態を調べるには、フルオレセインという黄色の染色液を少量点眼し、スリットランプで観察します。傷があるとその部分が染まって見えます。また、同じ染色体で涙の安定性を調べる検査(涙腺層破壊時間:BUT検査)も行います。まばたきをしないで目を開けたまま、涙の層がどのくらいの時間で乱れるかを調べる検査です。いずれの検査も外来で行ない、比較的短時間で終わります。強い痛みなどは感じません。
■ドライアイの治療
(1)点眼薬
症状が軽い場合は、潤いを持たせる点眼薬で緩和させることができます。人口涙液、ヒアルロン酸製剤などが用いられます。
(2)涙点プラグ
涙の出口である涙点に栓(涙点プラグ)をして、涙の生理的な排出を人為的に遮断するような治療を行うこともあります。プラグの大きさや材質など、いろいろなものが開発されています。
(3)悪化要因の除去
長時間のVDT作業や運転では、まばたきの回数が減るのでドライアイ症状を悪化させます。適度の休みを取ることが目の健康に重要です。また涙の状態を悪くさせる内服薬やコンタクトレンズの装用を減らすことも一つの手です。
(4)その他
目の保湿を補助するために加湿器を用いたり、エアコンの設定を変えるなども有効です。メガネの周りに覆いを付けることで、目の周りの湿度を上げることも有効です。
★ドライアイの可能性をセルフチェックしてみましょう★
ドライアイではなくとも、例えば眼鏡やコンタクトレンズの度が合っていないと、眼が疲れやすく感じます。次のチェックリストでドライアイの可能性をチェックしてみましょう。
次の症状のうち、あてはまる項目にチェックをつけてください。ただし年に1、2年程度の症状はあてはまりませんが、経度でも長期間にわたって現れる症状にはチェックをつけてください。
1眼が疲れやすい
2めやにが出る
3眼がごろごろする
4重たい感じがする
5眼が乾いた感じがする
6何となく目に不快感がある
7目が痛い
8涙が出る
9ものがかすんで見える
10眼がかゆい
11光を見るとまぶしい
12眼が赤い
チェックが5つ以上ならドライアイの可能性があります。さらに10秒以上眼を開けていられない、まばたきの回数が多いなら(40回/1分以上)その可能性がさらに高いといえるでしょう。
■おわりに
ドライアイは失明などの重篤な結果をもたらすことは少ない病気ですが、慢性的な目の不快感や疲れを感じたら、眼科を受診するようにしましょう。
*日本眼科学会ホームページ等より抜枠、加筆を行っております。
白内障手術の準備は細心の注意で…
★☆手術室より -白内障手術準備- ☆★
福岡県粕屋郡須恵町の須恵中央眼科では毎週水曜日の午後に日帰り白内障手術を行っております。
毎週白内障手術を受ける患者様のため、オペ室スタッフは万全の体制で準備をしています。
日帰り白内障手術の時間的は、おおむね20分前後です。可能な限りスムーズに手術を行うため、その準備には細心の注意が必要です。
●飛躍的に安全となった白内障手術●
日帰り白内障手術はこの20年で、見間違えるほど手技が向上し、医療機器も発達しました。
以前は【入院】【痛みの多い麻酔】【まだまだ未発達の医療器具】など、本当に大変な手術でした。
またそれに伴う【術後の合併症】の発生もまだ高く、厳しい環境で手術をしなければならない状況でした。
♦下記の写真は20年前に最も多く使用されていた超音波乳化吸引装置の一つです。
この医療器具は濁って白内障となった眼内の【水晶体】を微細な波長で砕枠し、吸引除去するものです。この機器が一般化する前は、白内障になった水晶体の摘出は大きく12mm程のキズ口を開け、そのままの形で摘出する方法しかありませんでした。(現在は約3mmのキズ口です)
♦下記の写真は現在当院で導入しております最新の超音波乳化吸引装置です。
現在の最新技術を搭載した当院で稼働中の機器です。設計はスリムでコンパクトになり、使用する超音波は、アナログからデジタルでの発振となり、人間では制御・コントロールできないレベルでその微細な発振を管理するようになりました。
*2msec(1000分の2秒)での発振を管理するテクノロジーにより、従来の機器よりも手術部位を【低温】【静寂】に保ちやすくするものです。これにより手術によるダメージを抑え、翌日には【快適】な視力を得ることが更に可能となりました。
●日帰り白内障手術でも、細心の注意が必要な合併症●
=感染性術後眼内炎=
このような医療機器の発達が現在の日帰り白内障手術を支えておりますが、それでも手術にはあってはならないトラブルが付いて回ります。
その代表的なものが【術後感染症】です。
日帰りの白内障手術は、国内で最も普及している外科手術の一つとなりました。
安全かつ早期に視力回復を実現し、国民のQuality of lifeの向上に大きく寄与しております。
しかし、いかに予防策を講じても、術後感染症の発症を完全に制御することは困難です。今でも非常に少ない頻度ながら術後眼内炎が発症しております。時には重篤な視機能障害を生じる症例もあります。
♦感染性術後眼内炎となってしまわれた患者様の状態です。♦
●感染性術後眼内炎の原因とは?●
手術の創から細菌や真菌(病原性カビ)が侵入して発症するものです。手術直後から発症する場合と数か月から数年を経てから発症するものまでさまざまです。
発生頻度としてはきわめて稀(まれ)ですが、菌の毒性が強い場合や発見が遅れた場合は、重篤な視機能障害を残すことがあります。最悪の場合、失明することもあります。
●感染性術後眼内炎の発生頻度=当院では開院以来発生【0件】=●
現在、わが国における白内障術後眼内炎の発症率は約0.05%(約2,000件に1件程)です。幸いなことに、須恵中央眼科では開設以降12年間、白内障の【術後感染症】は1件もありません。
これからも患者様に【安心】・【安全】に手術を受けていただくため、手術室内の清潔区域の管理を徹底するよう、毎日真剣に取り組んでまいります。きちんと滅菌、消毒、洗浄を行い、いつでも【安心】・【安全】な手術環境をつくることが我々の重要な責務だと思っております。