●眼圧ってなんだろう●
眼科を受診されると、「眼圧を測りましょう」と言われることがあります。
須恵中央眼科では、20歳以上の初診の患者様には必ず視力検査と眼圧の検査をおこなっています。
眼圧をいつも意識されている方はいないと思います。
人間の眼は、正常な大きさや、丸い形を維持するために内側から圧力【眼圧】がかかっています。
目の内部にかかっている圧力なので、目に見えるものではありません。
しかしこの圧力が大きく変動すると、さまざまな支障がでてくることもあるため注意が必要です。
●眼圧の正常値・異常値●
人種によっても眼圧は違うと言われています。近年の大規模な調査(多治見スタディ)によると、日本人の眼圧の平均値は14.5mmHgほどであることがわかりました。
ばらつきの程度(標準偏差が2.5mmHg)を考えると、正常の眼圧は10~20mmHgとなります。
眼精疲労やその他の要因によって眼圧が少し変動することは珍しくありません。
1日に眼圧が5mmHg前後変動しているのが一般的です。(眼圧の日内変動と言います)
●代表的な眼圧計について●
眼圧の測定には直接角膜に機器を当てて測定する【接触式】と、目に空気を当ててその変動を測定する【非接触式】の二つがあります。
♦接触式眼圧計
ゴールドマン圧平眼圧計
細隙灯顕微鏡に眼圧計がついています。
角膜に色素をつけ、そこに眼圧計を密着させて測定します。
現在、最も多く行われている検査方法です。
患者さんは検査台にあごをのせ、点眼麻酔をして行います。
♦非接触式眼圧計
ノンコンタクト トノメーター(Non Contact Tonometer)
圧搾空気を吹きつけ、角膜のへこみ具合から眼圧を測定する方法です。
器具が目に直接触れることはないので、麻酔はしないで検査ができます。
30秒もあれば行える簡単な検査です。
定期健診や人間ドックでもよく行われている検査方法です。
●眼圧が正常範囲内でも注意が必要です●
緑内障は我が国における失明原因の第1位を占めています。
特に40歳以上になると、【約25人に1人】の割合でこの病気になっている方がいると言われています。
この緑内障のタイプの中に、【正常眼圧緑内障】というものがあります。
このタイプは眼圧が正常範囲内でも視神経の障害が進んでいくというものです。
日本人はこの正常眼圧緑内障の割合が海外に比べて高いといわれており、研究結果からも緑内障の過半数がこのタイプであったことが分かっています。
そのため、眼圧の検査と一緒に網膜や血管や視神経乳頭の異常を調べる【眼圧検査】も定期的に受けることをお勧めします。
♦緑内障は早期発見が大事♦
緑内症急性発作の症状です。角膜が濁り青っぽくみえます。
現代医学でも失明から救えない、きわめて難治性の緑内障が存在することも事実です。
しかし一般に、早期発見・早期治療によって失明の危険性は減らすことができますので、定期検診で早期の発見をすることがとても重要となるのです。
自覚症状が初期では感じにくい病気でもあります。
是非定期検診を行っていただき、早期発見を心掛けて下さい。